このページで分かること
細長い動物が庭を横切った、天井裏で足音がする、独特の臭いがする。
そのどれかでこのページに来た方に向けて、3つのことを整理しています。
1つめは、それが本当にイタチなのかの見分け方です。
テンと取り違えられることがあります。
2つめは、法律上できることとできないことです。
イタチは捕獲の規制が少し複雑です。
3つめは、お住まいの自治体が何をしてくれて、何をしてくれないかです。
イタチとはどんな動物か
ニホンイタチとチョウセンイタチ
日本の住宅まわりで見られるイタチは、大きく2種類に分かれます。
ニホンイタチと、チョウセンイタチです。
分かれ目は、おおまかには地域です。
国立環境研究所によると、ニホンイタチの自然分布は本州・四国・九州です。
北海道へは1880年代に移入されました。
チョウセンイタチは、福井・岐阜・愛知以西の、沖縄を除く西日本に分布しています。
つまり西日本では、両方がいる可能性があります。
チョウセンイタチは「日本の侵略的外来種ワースト100」に指定されています。
2種をどう見分けるか
環境省は、判別の基準を示しています。
尾の長さが頭から胴までの長さの半分以上ある個体は、チョウセンイタチと判別されます。
毛色にも傾向があります。
環境省によると、ニホンイタチは茶褐色から赤褐色です。
チョウセンイタチは、やや褐色がかった山吹色とされています。
体格も違います。
国立環境研究所の数値では、ニホンイタチのオスは頭胴長27〜37センチ、体重290〜650グラムです。
メスはさらに小さく、頭胴長16〜25センチ、体重115〜175グラムです。
オスとメスでここまで差がある点は、覚えておいてください。
小さい個体を見て「子どもだ」と判断すると、外すことがあります。
チョウセンイタチのオスは頭胴長28〜39センチ、体重650〜820グラムで、こちらのほうが大型です。
なお自治体の案内では、種を区別せずに体長30〜40センチ程度と説明されることが多いです。
大阪市住吉区と北九州市は、いずれもこの表現を使っています。
体つきと、入れる隙間
胴が細長い体つきをしています。
この体型のため、驚くほど狭い場所を通れます。
大阪府は、イタチが3センチメートル四方の穴から出入りできると案内しています。
大阪市住吉区は、3センチメートル(500円玉大)の隙間から侵入すると説明しています。
大東市も3センチ程度の隙間に侵入するとし、3センチ未満の網目の資材を推奨しています。
複数の自治体が同じ数字を挙げているという点が重要です。
3センチの隙間は、家の各所にできやすい大きさです。
活動する時間
ここは自治体によって記述が割れています。
南あわじ市と北九州市は、夜行性としています。
一方で東大阪市は、1年中活動し、都市部では昼夜とも活動すると案内しています。
昼に見たからイタチではない、とは言えないということです。
臭い
イタチは肛門腺から強い臭気を出します。
天井裏に入られた場合、音より先に臭いで気づく方もいます。
何を食べるか
国立環境研究所によると、ニホンイタチはカエル、ネズミ類、鳥類、昆虫類、甲殻類、魚類を食べます。
チョウセンイタチは、これに果実類が加わります。
チョウセンイタチのほうが、食べるものの幅が広いということです。
2種の違いは、対応を変えるのか
法律上の扱いには、実際に差があります。
後ほど詳しく書きますが、メスの扱いが種によって違います。
一方で、家に入られたときにすることは、ほとんど変わりません。
追い出して、汚れを取って、入口を塞ぐ。
この順番はどちらでも同じです。
ですから、種の特定ができなくても対策は進められます。
特定が効いてくるのは、捕獲の許可を申請する場面です。
イタチかどうかを見分ける
見分けで最も多い取り違えが、テンです。
国立環境研究所の分類では、テンもイタチもイタチ科です。
ただし、体格ははっきり違います。
国立環境研究所は、ホンドテンを頭胴長45センチ、尾長19センチ、体重1.1〜1.5キロとしています。
ニホンイタチのオスが頭胴長27〜37センチ、体重290〜650グラムでした。
体重には、はっきりした差があります。
テンは尾が太いとされています。
毛色も季節で変わります。
国土交通省太田川河川事務所によると、夏は褐色です。
冬は、鮮やかな黄色の「キテン」と、灰褐色のままの「スステン」に分かれます。
農林水産省は、夏毛は顔が黒く体が茶褐色、冬毛は顔が白く体が明るい黄色になるとしています。
冬に顔が白っぽい細長い動物を見たなら、テンの可能性があります。
見分けの詳細は、テンとイタチの違いにまとめています。
姿を見ていない場合
天井裏の音だけで来る方が多いので、音についても書いておきます。
手がかりになるのは体格の差です。
ニホンイタチのオスで体重290〜650グラム、メスは115〜175グラムでした。
ハクビシンは約3キロです。
ネズミは体長が約6センチから26センチで、さらに小さくなります。
ただし、音の重さと種類の対応を示す出典は確認できていません。
音だけで確定させることはできないと考えてください。
フンや足跡、臭いと合わせて判断してください。
イタチの場合は、独特の臭気が決め手になることがあります。
ハクビシンと迷っている場合は、顔の白い線を確認してください。
鼻先から額へ一本の線が通っていればハクビシンです。
体の大きさも違います。
ハクビシンは頭胴長60センチ超で、体重は約3キロあります。
家で何が起きるか
大阪府と堺市は、イタチがグラスウール断熱材をほぐして営巣し、子育てすることがあると案内しています。
堺市は、こうしたケースが増えていると説明しています。
被害として挙げられているのは、天井裏の騒音、糞尿の臭気、台所や店舗への侵入です。
大阪市住吉区も、天井裏を走り回る騒音と、尿・糞の臭いを被害として挙げています。
南あわじ市は、足音・鳴き声の騒音、建材の破損、排せつ物の悪臭を挙げています。
大東市は、イタチによるノミ被害にも言及しています。
体調に変化があった場合は、医療機関にご相談ください。
このサイトでは、症状や治療については扱いません。
繁殖の時期は、出典によって違います
堺市は、イタチの出産期を4月頃から8月頃とし、年1回5〜6頭としています。
南あわじ市は、出産期を3月から5月頃としています。
同じ「イタチ」でも、自治体によって示す時期が食い違っています。
種や地域の違いが影響している可能性がありますが、そこまでは公表資料から読み取れません。
このサイトでは、どちらか一方だけを相場として示すことはしません。
いずれにしても、春から夏は子育てに使われている可能性が高い時期です。
中にいる状態で出入口を塞ぐと、子を閉じ込めることになります。
法律上、できないこと
許可なく捕獲することも、殺すこともできません。
ここは断定して書きます。
イタチをめぐる法律の話は、2つの制度が混ざるため分かりにくくなっています。
狩猟としての扱い
環境省が狩猟鳥獣として指定しているのは「イタチ(オス)」です。
群馬県も、狩猟の対象を「イタチはオスに限る」と明記しています。
つまりニホンイタチのメスは、狩猟の対象ではありません。
例外がひとつあります。
平成29年9月から、チョウセンイタチのメスのみが狩猟鳥獣に追加指定されました。
住宅の被害で捕獲する場合
自宅に入られて困っている、という理由での捕獲は、狩猟とは別の制度です。
大阪府、北九州市、東大阪市は、いずれも捕獲には市町村長等の許可が必要だと案内しています。
申請先は市区町村または都道府県の担当課で、被害状況の説明が求められます。
許可なく鳥獣を捕獲した場合、鳥獣保護管理法違反として罰則を受ける可能性があります。
つまり「オスなら捕まえていい」という理解は誤りです。
狩猟の枠組みと、住宅被害での捕獲許可は、別の話だからです。
そして、捕まえた個体がオスかメスかを、わなにかかる前に選ぶことはできません。
栃木市では、対象以外の動物がかかった場合は直ちに放獣することとされています。
同市では、捕獲開始の10日前までに捕獲許可申請書の提出が必要です。
わなは1日1回以上の見回りが義務づけられています。
自治体は何をしてくれて、何をしてくれないか
自治体は、捕獲許可の申請先になります。
相談の窓口を置いている自治体もあります。
捕獲器を貸し出している自治体もあります。
制度の有無と条件は市区町村ごとに異なり、年度で変わることもあります。
実際に何があるかは、お住まいの自治体で確認してください。
条件は、思っているより細かく決まっています
ハクビシン・アライグマの防除事業の例を見ると、条件の細かさが分かります。
町田市のわなの設置期間は最長3週間で、延長はできません。
狛江市の箱わな貸出は、1日1回以上の見回りが条件で、貸出期間は原則3週間です。
横浜市の制度は一人当たり2週間まで、年1回限りです。
上尾市は、ハクビシンについて被害がある場合のみ捕獲許可の対象で、目撃のみでは捕獲できないとしています。
ここで挙げたのは、いずれもハクビシン・アライグマを対象とした事業です。
イタチを対象とした制度ではありません。
条件の付き方の例として見てください。
「無料」と書かれていても、期間と条件を満たさなければ使えません。
捕獲と、そのあとの工事は別です
ハクビシンの防除事業を行っている自治体でも、侵入口の封鎖や消毒は自己負担としている例があります。
板橋区は、侵入路の封鎖、ふん尿の撤去、消毒を区の事業の対象外としています。
町田市も、消毒と侵入口の封鎖は自己負担です。
捕獲だけ済ませて封鎖をしないと、また入られます。
このサイトでは、確認できた自治体の運用だけを、自治体名つきで掲載しています。
「多くの自治体では」といった書き方はしません。
お住まいの自治体に何があるかは、自治体の制度から確認してください。
賃貸にお住まいの場合
費用の負担は、管理会社または貸主との取り決めによります。
先に動いてしまうと、あとで精算できない場合があります。
作業を頼む前に、管理会社へ連絡してください。
自分でできること、できないこと
駆除の作業は、3つの工程に分かれます。
「追い出し・捕獲」「清掃・消毒」「侵入口の封鎖」です。
封鎖をしなければ再発します。
このうち、許可なく自分でできるのは、封鎖と清掃と、寄せ付けない工夫です。
捕獲はできません。
侵入口をふさぐ
3センチ四方が基準になります。
大東市は、3センチ未満の網目の資材を推奨しています。
床下の通気口、配管まわり、屋根と壁の取り合い。
このあたりを、実際に手で触って確認してください。
塞ぐ順番は守ってください。
中にいる状態で出入口を塞ぐと、閉じ込めることになります。
天井裏で死んでしまえば、悪臭と汚染はかえって深刻になります。
出ていったことを確認してから塞いでください。
餌になるものを減らす
東大阪市は、イタチを雑食性とし、ネズミや小鳥の卵・ヒナ、カエル、昆虫類を好むとしています。
大阪府は、主食をネズミ・鳥類・昆虫などの動物食としています。
注目すべきは、ネズミが餌になっている点です。
家にネズミがいることが、イタチを呼ぶ理由になっている場合があります。
ネズミの気配もある場合は、ネズミの見分け方と駆除もあわせてご覧ください。
生ごみやペットフードを屋外に出したままにしないことも、基本の対策です。
忌避剤と超音波
忌避グッズには役割がありますが、限界もあります。
駆除業者の害獣対策の窓口は、超音波装置について1種類の音だけでは慣れてしまう可能性があると案内しています。
超音波が届く範囲にも限界があり、1か所に置くだけでは足りない場合があるとされています。
装置によって対象の動物が異なるため、対象にイタチが含まれるかを事前に確認する必要があります。
出ていってもらうきっかけにはなります。
ただし、塞ぐ作業とセットでなければ戻ります。
清掃と消毒
糞尿が溜まっている場合、清掃と消毒が必要になります。
天井裏の作業は、足場と姿勢の問題があります。
ここは無理をしないでください。
業者に頼む場合
金額を左右するのは、主に封鎖する箇所の数と、その場所へ届くかどうかです。
このサイトでは、費用の相場を一つの金額で示すことはしていません。
現地を見ないと決まらないものを、見ずに書くことになるからです。
見積書を受け取ったら、3つの工程が分かれて書かれているかを見てください。
追い出し、清掃・消毒、封鎖です。
封鎖が項目として立っていない見積は、そこが含まれていない可能性があります。
封鎖をしなければ再発するので、ここが入っているかどうかは金額より先に確認する点です。
何が金額を動かすのかは費用の考え方にまとめました。
安く見せて後から追加請求になる形については、追加請求の手口で扱っています。
見積書のどこを見るかはいい業者の見つけ方にあります。
似ている動物と間違えていないか
イタチだと思っていたものが、別の動物だったという例は少なくありません。
テンとの違いはテンとイタチの違いにまとめています。
ハクビシンとの違いはハクビシンの見分け方と駆除で確認できます。
テンそのものについてはテンのページがあります。
フンやかじり跡があれば、ネズミの可能性もあります。
種類によって、法律上の扱いがまるで変わります。
家に出るネズミ3種は鳥獣保護管理法の対象外で、許可なく駆除できます。
イタチは許可が要ります。
だから、最初に種類を確定させることに意味があります。
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