業者の選び方

ハクビシン

天井裏でドタドタという重い足音がするとき、まず候補に挙がる動物です。

見分けるポイント

次のうち2つ以上が当てはまれば、ハクビシンの可能性が高くなります。

鼻すじ 額から鼻先にかけて白い線が1本通る。これが最大の決め手。
大きさ 胴の長さは猫ほど。尾が胴と同じくらい長い。
足跡 前足も後ろ足も指は5本。爪の跡が残りにくい。
夜行性。日が落ちてから動き出し、足音は重く、ドタドタと歩く。
許可なく捕まえることはできません

鳥獣保護管理法により、家に出るネズミ3種(クマネズミ・ドブネズミ・ハツカネズミ)以外の対象獣は、許可なく捕獲・殺傷することができません。わなを仕掛ける場合も、事前に自治体への申請が必要です。

ハクビシンかどうかは、屋根裏や侵入口を見ないと確定できません。

依頼する前に確認すること 現地を見ずに総額を出す業者は避ける。確認する点を6つにまとめています。

自治体の制度を確認する

捕獲器の貸出や、捕獲許可の申請先は市区町村ごとに違います。 お住まいの自治体に制度があるかどうかを先に確認してください。

市区町村から制度を探す →

このページで分かること

顔に白い線がある動物を見た、天井裏で重い足音がする、天井にシミが出てきた。

そのどれかでこのページに来た方に向けて、3つのことを整理しています。

1つめは、それが本当にハクビシンなのかの見分け方です。

2つめは、法律上できることとできないことです。

ここを知らずに動くと違法になります。

3つめは、お住まいの自治体が何をしてくれて、何をしてくれないかです。

ハクビシンとはどんな動物か

見た目の特徴

いちばん分かりやすいのは、顔の中央を通る白い線です。

鼻先から額にかけて、一本の白い線が入っています。

国立環境研究所は、体色を灰褐色とし、顔面と四肢の下部は黒褐色、額の下部から鼻先の中央に白線が入ると説明しています。

大きさは、出典によって示し方が違います。

国立環境研究所は、頭から胴までをメス61センチ・オス66センチ、尾を40センチ、体重を約3キロとしています。

町田市は、頭から尾の先までの長さを90〜110センチとし、足が短いと案内しています。

頭胴長と尾長を足すと100センチ前後になるので、この2つは矛盾していません。

尾を含めて測るか、含めずに測るかの違いです。

足と、登る力

前足も後ろ足も丸い形の5本指で、分厚い肉球を持っています。

農林水産省は、この肉球を押し付けて挟むように上り下りするため、雨樋のような滑らかな素材の柱でも登れると説明しています。

これは対策を考えるうえで重要な点です。

地面から届く範囲だけを塞いでも足りません。

2階の高さにある通風口や、屋根まわりの隙間も侵入口になります。

昼間はどこにいるか

夜行性です。

国立環境研究所は、昼間は樹洞や岩穴、人家の屋根裏などで休憩すると説明しています。

つまり、昼に姿を見かけないことは、いない理由になりません。

天井裏にいる場合、日中は動かずに休んでいます。

活動が始まるのは、日が落ちてからです。

何を食べるか

雑食性で、果実や種子を好みます。

昆虫類、魚類、残飯なども食べます。

庭に果樹がある、生ごみを外に置いている、ペットフードを屋外に出している。

こうした条件があると、その家のまわりに来る理由ができます。

農林水産省によると、令和5年度の全国の農作物被害額は約3億6500万円でした。

被害面積は約0.3千ヘクタールです。

どこにいる動物なのか

もともと日本にいた動物ではありません。

環境省生物多様性センターによると、1943年に静岡県で初めて記録されました。

当時は東北・東海・四国の3地域に、不連続な分布域があっただけでした。

それがいま、かなり広い範囲に広がっています。

環境省の調査では、2018年時点で37都府県から生息分布情報が得られています。

情報が得られなかったのは、北海道・山口県・九州沖縄地方の計10道県です。

同センターは、被害報告は年々増加しており、被害発生地域は都市部で拡大しているとしています。

都会だから縁がない、という話ではなくなっています。

ハクビシンかどうかを見分ける

決め手は、顔の白い線です。

国立環境研究所によると、額の下部から鼻先の中央に白線が入ります。

姿をはっきり見られたなら、ここで判断がつく場合が多いです。

問題は、姿を見ていない場合です。

天井裏の音だけ、フンだけ、足跡だけという状態で来る方が大半です。

足跡から絞る

足跡が残っている場合は、指の数と形が手がかりになります。

農林水産省によると、ハクビシンは前足も後ろ足も丸い形の5本指で、分厚い肉球を持っています。

音から絞る

ハクビシンの体重は約3キロです。

ネズミは体長が約6センチから26センチで、体の大きさがまるで違います。

体格にこれだけ差があるので、音の印象も変わる場合があります。

ただし、音の重さと種類の対応を示す出典は確認できていません。

音は候補を思い浮かべる手がかりにとどめて、確定は痕跡で行ってください。

夜行性なので、日が落ちてから動き出す点も判断材料になります。

間違えやすい相手

テンやイタチは、ハクビシンよりかなり小型です。

国立環境研究所の数値では、ニホンイタチのオスは頭胴長27〜37センチです。

ホンドテンでも頭胴長45センチ前後とされています。

頭胴長60センチ超のハクビシンとは、体の大きさが違います。

アライグマは尾に輪状の模様があり、ここで見分けられます。

タヌキやアナグマとの違いは、それぞれの比較記事で扱います。

気づいたきっかけが音やフンだった方は、天井裏で音がするから絞り込めます。

フンが落ちていた場合は、フンが落ちているをご覧ください。

家で何が起きるか

ハクビシンには、同じ場所に繰り返し排泄する「ためフン」の習性があります。

国立環境研究所は、ねぐらなどにため糞をし、よく使う通路上の側溝や溜まり水にも糞をする場合があると説明しています。

天井裏がねぐらになると、糞尿が一か所に溜まります。

環境省生物多様性センターは、家屋侵入により糞尿を排泄するため、天井のシミ汚れや異臭が生じる場合が多いとしています。

音より先に、天井のシミで気づく場合もあります。

農林水産省は、天井裏で出産・育児をする場合があるとしています。

国立環境研究所は出産期を3〜12月、産子数を1〜4頭としています。

農林水産省は繁殖期を1〜9月、出産期を3〜11月と推定し、ほぼ年間を通じて繁殖するとしています。

どちらの資料でも、出産の時期はかなり長い期間にわたります。

季節を問わず、子育てに使われている可能性があるということです。

衛生面についても触れておきます。

農林水産省は、ノミやダニが付いており、それらが媒介する病気があるとしています。

東京都環境局は、アライグマ・ハクビシンが媒介する主な感染症の一覧を公表しています。

レプトスピラ症、E型肝炎、サルモネラ感染症、疥癬などが挙げられています。

体調に変化があった場合は、医療機関にご相談ください。

このサイトでは、症状や治療については扱いません。

殺してもいいのか。法律上できないこと

結論から書きます。

許可なく捕獲することも、殺すこともできません。

ハクビシンは、鳥獣保護管理法上の狩猟鳥獣(獣類)に指定されています。

狩猟鳥獣であることは、誰でも自由に捕まえてよいという意味ではありません。

住宅の被害を理由に捕獲する場合は、有害鳥獣捕獲の許可が必要です。

東京都環境局は、許可のない捕獲は1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象になると案内しています。

「特定外来生物だから駆除してよい」は誤りです

この誤解がかなり広く出回っているので、はっきり書いておきます。

ハクビシンは特定外来生物に指定されていません。

環境省の特定外来生物等一覧に、ハクビシンの記載はありません。

政府も、指定する考えはないと答弁しています。

現行の基本方針上、指定することは考えていない、という答弁です(2019年5月31日の答弁書)。

外来種ではあります。

環境省生物多様性センターによると、遺伝子解析が行われています。

その結果、日本のハクビシンは台湾などから入ってきた外来種と結論づけられています。

2015年公表の生態系被害防止外来種リストでは、重点対策外来種として掲載されています。

しかし「外来種である」ことと「特定外来生物に指定されている」ことは別です。

特定外来生物に指定されているのはアライグマのほうです。

町田市や船橋市のように、アライグマと同じ事業でハクビシンを扱っている自治体があります。

そのため、2種が同じ扱いだと受け取られやすい箇所です。

ハクビシンだと分かっている場合、アライグマ向けの説明をそのまま当てはめないでください。

申請先

有害鳥獣捕獲の許可は、市区町村または都道府県の担当課に申請します。

東京都の場合、申請先は23区内が東京都環境局、多摩地区が東京都多摩環境事務所です。

申請には被害状況の説明が求められます。

わなを使う場合、見回りの義務や設置期間の上限が定められていることがあります。

栃木市では、捕獲開始の10日前までに捕獲許可申請書の提出が必要で、わなは1日1回以上の見回りが義務づけられています。

対象以外の動物がかかった場合は、直ちに放獣することとされています。

自治体は何をしてくれて、何をしてくれないか

ここが、この問題でいちばん情報が出回っていない部分です。

制度は市区町村ごとに異なり、年度で変わることもあります。

実際にどう違うのかを、公表されている運用で見ていきます。

わなの貸出や捕獲を行う自治体がある

町田市は、アライグマ・ハクビシン防除事業として、わなの設置・捕獲・処分を無料で行っています。

船橋市は、アライグマ・ハクビシン限定の捕獲用ワナを無料で貸し出しており、設置期間は最大8週間です。

千葉市は、生活被害を受けた方を対象に箱ワナを貸し出し、貸出期間は原則として設置日から1か月間です。

横浜市は、住居内への侵入被害に限り、市契約業者による捕獲・回収を無料で行っています。

八王子市は、獣害対策課がアライグマ・ハクビシン捕獲用の箱わなを貸し出しています。

使える期間と条件は、かなり細かく決まっています

無料と書かれていても、条件を満たさなければ使えません。

町田市のわなの設置期間は最長3週間で、延長はできません。

狛江市の箱わな貸出は、1日1回以上の見回りが条件で、貸出期間は原則3週間です。

横浜市の制度は一人当たり2週間まで、年1回限りです。

庭での目撃や池の被害は対象外とされています。

目黒区の制度は、区内在住であること、糞尿被害が実際にあること、立会いができることが条件で、年度1回限りです。

戸田市は箱わなによる捕獲を無料で実施していますが、初回設置時を除きエサは利用者が用意します。

上尾市は、ハクビシンは被害がある場合のみ捕獲許可の対象で、目撃のみでは捕獲できないとしています。

封鎖と消毒が対象外の自治体がある

ここを見落とすと、話が途中で止まります。

目黒区は、箱わなの貸出と捕獲された動物の回収費用を区が負担しています。

一方で、糞尿の清掃・消毒と侵入口の封鎖は自己負担で、事業者等へ依頼する必要があるとしています。

板橋区も、侵入路の封鎖、ふん尿の撤去、消毒は区の事業の対象外で、自分で業者へ依頼する必要があるとしています。

町田市も、消毒と侵入口の封鎖は自己負担です。

上尾市は、屋内への住み着き等で市が対応できない場合、防除業者への相談が必要で費用は自己負担と明記しています。

目黒区、板橋区、町田市では、いずれも封鎖と消毒が自己負担です。

家に入られないようにする工事と、汚れた場所をきれいにする作業は、別に手配することになります。

ここを知らないまま捕獲だけ済ませると、塞がれていない侵入口から再び入られます。

お住まいの自治体に何があるかは、自治体の制度から確認できます。

賃貸にお住まいの場合

費用の負担は、管理会社または貸主との取り決めによります。

先に動いてしまうと、あとで精算できない場合があります。

作業を頼む前に、管理会社へ連絡してください。

自治体の制度を使う場合も、建物に手を入れることになります。

その意味でも、先に一報を入れておいたほうが進めやすくなります。

寄せ付けないためにできること

ここは概要にとどめます。

手順の細部はハクビシン対策にまとめました。

どのくらいの隙間から入るか

農林水産省は、幅6センチ×高さ12センチ程度の隙間があれば屋内に侵入できるとしています。

駆除業者のホームスターは、一辺8センチの正方形、直径9センチの円形とする案内を出しています。

こちらは1社の案内で、農林水産省の数値とは異なります。

数値は出典によって違いますが、方向は同じです。

思っているよりずっと小さい隙間で入られます。

農林水産省は、通風口などからの侵入が多く、壁の隙間の有無が侵入されやすさに影響するとしています。

順番を間違えないこと

やることは3つです。

餌になるものを減らす。追い出す。侵入口を塞ぐ。

このうち、順番が問題になるのは最後の2つです。

中にいる状態で出入口を塞ぐと、閉じ込めることになります。

出ていったことを確認してから塞いでください。

忌避グッズにできること

忌避剤や超音波には役割がありますが、限界もあります。

駆除業者の害獣対策の窓口が、慣れてしまう可能性や、届く範囲の限界を案内しています。

出ていってもらうきっかけにはなります。

ただし、塞ぐ作業とセットでなければ戻ってきます。

グッズごとの扱い方はハクビシン対策で詳しく書いています。

業者に頼む場合

作業は「追い出し・捕獲」「清掃・消毒」「侵入口の封鎖」の3つの工程に分かれます。

金額を左右するのは、主に封鎖する箇所の数と、その場所へ届くかどうかです。

侵入口が1か所で、手の届く高さにある家。

侵入口が複数あり、屋根まわりに散っている家。

同じ「ハクビシン駆除」でも、この2つでは作業量がまるで違います。

このサイトでは、費用の相場を一つの金額で示すことはしていません。

現地を見ないと決まらないものを、見ずに書くことになるからです。

見積書を受け取ったら、3つの工程が分かれて書かれているかを見てください。

封鎖が項目として立っていない見積は、そこが含まれていない可能性があります。

封鎖をしなければ再発するので、ここは金額より先に確認する点です。

何が金額を動かすのかは費用の考え方にまとめました。

安く見せて後から追加請求になる形については、追加請求の手口で扱っています。

見積書のどこを見るかはいい業者の見つけ方にあります。

ハクビシンを見つけた直後にすること

姿を見てしまった場合の動き方は、別の記事にまとめています。

確認の仕方と順番によっては、かえって状況を悪くすることがあります。

順番を間違えないために、ハクビシンを見つけたらを先にお読みください。

ハクビシンの記事をもっと読む

このページは全体像です。

実際に動くときは、いまの状況に近い記事から読んだほうが早く進みます。

まだ何の動物か確定していない場合は、見分けの記事から読んでください。

姿を見ていなくても、フンの形や足跡から候補は絞れます。

ハクビシンだと分かっていて、これから追い出す場合は、対策の記事に手順があります。

追い出しと封鎖の順番を間違えると、天井裏に閉じ込めることになります。

すでに天井裏に住み着いていて、フンが溜まっている場合は、清掃と消毒の扱いが変わります。

下の一覧から、いまのご自宅の状況に近いものを選んでください。

ハクビシンについて、さらに詳しく

それぞれの記事が、1つの疑問にだけ答えます。

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依頼する前に確認すること

見積書のどこを見るか。6つの確認点