先に結論。家で見たなら、候補は3つに絞れる
細長い動物を見て、イタチかどうか調べている方へ。
どこで見たかによって、候補はかなり変わります。
住宅やその周辺で見たのであれば、可能性が高いのはイタチ、テン、ハクビシンの3つです。
オコジョやイイズナも見た目は似ていますが、生息地が違います。
オコジョは山地帯から高山帯に生息します。
イイズナの本州亜種は、青森県・秋田県・岩手県の一部地域に分布し、個体数はきわめて少ないとされています。
住宅で見る可能性は低いということです。
絶対に出ないという意味ではありません。
生息地の記録から言えることとして、優先順位を下げてよいという意味です。
イタチ全体の話はイタチの見分け方と駆除にまとめています。
テン
最も間違えられる相手です。
国立環境研究所の分類では、テンもイタチも哺乳綱 食肉目(ネコ目) イタチ科です。
同じ科なので、体つきが似ています。
違うのは大きさです。
国立環境研究所は、ホンドテンを頭胴長45センチ、尾長19センチ、体重1.1〜1.5キロとしています。
国土交通省太田川河川事務所は、オスを頭胴長約45センチ、体重約1500グラムとしています。
同事務所は、メスを頭胴長約40センチ、体重約900グラムとしています。
一方、ニホンイタチのオスは頭胴長27〜37センチ、体重290〜650グラムです。
メスは頭胴長16〜25センチ、体重115〜175グラムです。
国立環境研究所も、ホンドテンはニホンイタチのオスより体長・体重ともに明確に大きいとしています。
毛色も手がかりになります。
国土交通省太田川河川事務所によると、テンは夏が褐色です。
冬は、鮮やかな黄色の「キテン」と、灰褐色のままの「スステン」に分かれます。
農林水産省は、夏毛は顔が黒く体が茶褐色、冬毛は顔が白く体が明るい黄色になるとしています。
尾は太いとされています。
もっと詳しい比較はテンとイタチの違いにあります。
ハクビシン
顔を見られたなら、すぐに分かります。
国立環境研究所によると、額の下部から鼻先の中央に白線が入ります。
体色は灰褐色で、顔面と四肢の下部は黒褐色です。
大きさもかなり違います。
国立環境研究所は、頭胴長をメス61センチ・オス66センチ、尾長40センチ、体重約3キロとしています。
ニホンイタチのオスが頭胴長27〜37センチでしたから、倍近い差があります。
細長い印象があっても、実物はかなり大きい動物です。
詳しくはハクビシンの見分け方と駆除をご覧ください。
オコジョ
イタチによく似ていて、調べている方が多い動物です。
岐阜県によると、オコジョはネコ目(食肉目)イタチ科に分類されます。
大きさは、資料によって数値が違います。
岐阜県は頭胴長16〜18センチ、尾長5〜13センチ、体重80〜105グラムとしています。
長野県山ノ内町の資料では、体長15〜20センチ、体重160〜200グラムとされています。
このサイトでは、どちらか一方だけを確定として示すことはしません。
いずれにしても、イタチよりさらに小さい動物です。
決め手は毛色と、尾の先
見分けの決め手がはっきりしています。
岐阜県によると、夏は背面が茶褐色で腹面が白色です。
そして冬は、全身が白色になります。
そして環境省によると、尾の先端は季節を問わず黒色のままです。
冬に真っ白な細長い動物を見て、尾の先だけが黒い。
そうであればオコジョの可能性があります。
住宅で見る可能性は低い
生息地が違います。
岐阜県によると、山地帯から高山帯に生息します。
長野県山ノ内町の資料では、本州の東北から中部地方北部の山岳・高山地帯に分布するとされています。
市街地の住宅で見かける可能性は低いと考えられます。
法律上の扱いも違う
ホンドオコジョは、長野県の県指定天然記念物です(1975年11月4日指定)。
ホンドオコジョ・エゾオコジョはいずれも、環境省レッドリスト2020で準絶滅危惧とされています。
そして、オコジョとイイズナは現行の狩猟鳥獣20種の一覧に含まれていません。
イタチやテンとは扱いが違います。
イイズナ
岩手県によると、ニホンイイズナは食肉目イタチ科です。
オス体長160ミリ、メス156ミリ、尾長24ミリで、世界最小の食肉目とされています。
オコジョと同じく、夏毛は茶色、冬毛は全身白色になります。
環境省によると、本州亜種は青森県・秋田県・岩手県の一部地域に分布し、個体数はきわめて少ないとされています。
環境省レッドリスト2020で準絶滅危惧です。
フェレット
イタチと似た動物として名前が挙がります。
ただし、このサイトではフェレットの特徴を断定的に説明しません。
出典として確認できた資料を持っていないためです。
分かる範囲で書くと、飼われていた個体が屋外にいる可能性はあります。
いずれにしても、捕まえようとしないでください。
野生の個体かどうかが分からない段階で手を出すと、けがの危険があります。
アナグマ
体つきは違いますが、顔の白さで間違われる動物です。
農林水産省は、鼻先から尾の先まで60〜90センチ程度、体重4〜15キロとしています。
オスがメスより大きいとされています。
顔は全体的に白く、頭部から目の下にかけて黒い模様があります。
千葉県の資料では、顔が細長いことが識別点とされています。
農林水産省は、鼻筋が白い点でハクビシンに間違われることが多いとしています。
イタチと迷うことは少ない大きさですが、ハクビシンとは紛らわしい相手です。
姿を見ていない場合
痕跡から絞る方法もあります。
足跡が残っていれば、指の本数が手がかりになります。
東京都環境局によると、タヌキの足跡は指が4本で全体に丸く、ネコに似ますが爪痕は明瞭です。
アナグマは指が5本で、爪が長いとされています。
ハクビシンは、前足も後ろ足も丸い形の5本指で、分厚い肉球を持っています。
臭いも手がかりになります。
イタチは肛門腺から強い臭気を出します。
強い臭いがある場合、イタチの可能性が上がります。
音から絞る方法は屋根裏で音がするにまとめています。
フンを見つけた場合はフンが落ちているをご覧ください。
種類で、できることが変わる
ここが、種を特定する実際の意味です。
環境省によると、狩猟鳥獣として指定されているのは「イタチ(オス)」です。
平成29年9月からは、チョウセンイタチのメスのみが追加指定されています。
テンは「テン(ツシマテンを除く)」として指定されています。
ハクビシン、タヌキ、アナグマも狩猟鳥獣に含まれます。
一方で、オコジョ、イイズナ、ニホンリス、ムササビは、現行の狩猟鳥獣20種の一覧に含まれていません。
ただし、狩猟鳥獣であることは、誰でも自由に捕まえてよいという意味ではありません。
住宅の被害を理由に捕獲する場合は、市区町村または都道府県への許可の申請が必要です。
許可なく鳥獣を捕獲した場合、鳥獣保護管理法違反として罰則を受ける可能性があります。
つまり、どの動物だったとしても、見つけてすぐ捕まえるという選択肢はありません。
特定できたあとにすること
家に入られている場合、やることは共通しています。
追い出して、汚れを取って、侵入口を塞ぐ。
駆除作業は「追い出し・捕獲」「清掃・消毒」「侵入口の封鎖」の3工程に分かれます。
封鎖をしなければ再発します。
塞ぐ順番には注意してください。
中にいる状態で出入口を塞ぐと、閉じ込めることになります。
出ていったことを確認してから塞いでください。
捕獲については、自治体の制度が使える場合があります。
制度の有無と条件は市区町村ごとに異なり、年度で変わることもあります。
お住まいの自治体については、自治体の制度から確認してください。
業者に頼む場合、見積書のどこを見るかはいい業者の見つけ方にあります。