このページで分かること
天井裏で軽い足音がする、配線がかじられていた、黒い粒が落ちていた。
そのどれかでこのページに来た方に向けて、4つのことを整理しています。
1つめは、ネズミだけは許可なく駆除できるという、他の害獣との決定的な違いです。
2つめは、3種類のうちどれなのかという見分け方です。
種類で対処が変わります。
3つめは、音や超音波で追い出せるのかという問いへの答えです。
4つめは、お住まいの自治体が何をしてくれるかです。
ネズミだけは、許可なく駆除できる
このサイトで扱っている動物のうち、ネズミだけが例外です。
ハクビシン、イタチ、アライグマ、コウモリは、鳥獣保護管理法の対象です。
許可なく捕獲することも、殺すこともできません。
ネズミは違います。
環境省の説明によると、ねずみ・モグラ類は平成14年の法改正で鳥獣保護管理法上の「鳥獣」の概念に含まれることとなりました。
ただし、いえねずみ類3種は同法の対象外とされています。
クマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミの3種です。
つまり、この3種であれば自分で駆除できます。
捕獲許可の申請も要りません。
これは大きな違いです。
天井裏で音がしていて、それがハクビシンなら許可を取るところから始まります。
ネズミなら、今日から粘着シートを置けます。
だからこそ、最初に種類を確定させることに意味があります。
ただし、ひとつだけ先に書いておきます。
捕まえるだけでは終わりません。
侵入口をふさがなければ、また入られます。
家にいるネズミの種類
3種類いて、住む場所も、効く方法も違います。
クマネズミ
天井裏で音がしている場合、まずこれを疑ってください。
東京都保健医療局は、クマネズミが天井裏、壁の中、ビル内部の高い所に住みつきやすいとしています。
体長は東京都の資料で15〜20センチ、別の資料では15〜23センチとされています。
見分けの決め手は、尾と耳です。
西宮市によると、クマネズミは尾が胴より長く、耳が大きいのが特徴です。
耳を前に倒すと、目に届きます。
毛色は、背中が灰茶褐色で腹が黄褐色の場合が多いとされています。
運動能力が高い点も特徴です。
東京都保健医療局は、電線を伝い、粗面の壁を駆け上がるなど立体的に動き、警戒心が高い場合が多いとしています。
食性は植物質を好む傾向があります。
ドブネズミ
こちらは低いところにいます。
東京都保健医療局は、下水管・下水溝、植込み、ビル低層階に生息する場合が多いとしています。
体長は22〜26センチで、3種のなかで最も大きくなります。
西宮市によると、尾は胴よりやや短く、耳が小さいのが特徴です。
耳を前に倒しても、目に届きません。
毛色は、背中が灰褐色で腹が白い場合が多いとされています。
地中に深さ1.5メートル程度の穴を掘る掘削力や、泳ぐ能力を持つ場合が多いとされています。
食性は動物質を好む傾向があります。
ハツカネズミ
体長は約6〜9センチで、3種のなかで最も小さい種です。
岡山市と東京都ペストコントロール協会は、農家や住宅地など郊外に多い場合が多いとしています。
食性は、穀類や種子など植物質を好む傾向があります。
西宮市によると、耳が大きく丸いのが特徴です。
なお、尾の長さについては出典によって記述が分かれています。
西宮市は胴よりやや短いとし、京都府の資料では体より長いとしています。
このサイトでは、どちらか一方を確定として示すことはしません。
体の小ささのほうが、見分けの手がかりとしては確実です。
種類で何が変わるか
住む高さが違うので、粘着シートを置く場所が変わります。
天井裏に置くのか、床まわりに置くのかという違いです。
好む餌も違うので、毒餌を使う場合の選び方にも関わります。
まずクマネズミかドブネズミかを、尾と耳の特徴で分けてください。
耳と尾だけで分ける
覚えることを2つに絞ると、こうなります。
耳を前に倒して目に届き、尾が胴より長ければクマネズミ。
耳を前に倒しても目に届かず、尾が胴よりやや短ければドブネズミ。
どちらでもない小さな個体は、ハツカネズミの可能性があります。
そして、天井裏で音がしているならクマネズミである場合が多いです。
住んでいる場所そのものが、いちばん分かりやすい手がかりになります。
なぜ入ってくるのか
理由は単純で、餌と、入れる隙間があるからです。
ネズミは人の暮らしに依存して生きています。
食べ物があり、雨風がしのげて、巣材になるものがある。
その3つが揃っていれば、入ってくる理由ができます。
繁殖の速さを考えると、この条件が続く限り数は増えます。
東京都保健医療局によると、生後3か月から出産可能です。
条件が良ければ年に6〜7回、1回に6〜10匹程度を生む場合が多いとされています。
捕まえる作業だけを続けても追いつかないのは、このためです。
餌を断ち、入口を塞ぐ。
この2つをやらないと、終わりが来ません。
ネズミがいるサイン
姿を見ていなくても、痕跡から分かります。
走る音
東京都保健医療局は、人が寝静まった夜間や、留守で人がいない時間帯に活動することが多いとしています。
手がかりになるのは体格の差です。
ハクビシンは体重が約3キロあります。
イタチはニホンイタチのオスで290〜650グラムです。
ネズミは体長が約6センチから26センチで、さらに小さくなります。
ただし、音の重さと種類の対応を示す出典は確認できていません。
音は手がかりにとどめて、フンやかじり跡と合わせて判断してください。
かじり跡
前歯が伸び続けるため、配線や柱をかじります。
かじられた跡があれば、そこは通り道になっている可能性があります。
フン
種類によって大きさが違います。
岡山市によると、ハツカネズミの糞は約0.5センチです。
クマネズミは約1センチ、ドブネズミは約1〜2センチとされています。
落ちている場所も手がかりになります。
天井裏に溜まっていればクマネズミの可能性が高くなります。
フンが落ちているでも絞り込めます。
ラットサイン
これは知っておくと役に立ちます。
東京都保健医療局によると、ラットサインとは、通り道に体の脂と汚れが付いてできる黒光りしたこすり跡のことです。
墨田区は、常に出入りしている穴の縁には、黒く薄汚れたラットサインが見られる場合が多いとしています。
つまり、ラットサインを探せば侵入口が分かります。
黒ずんだ跡がある隙間が、いま使われている入口です。
塞ぐべき場所を探すとき、これがいちばん確実な手がかりになります。
超音波や音で追い出せるのか
この点を調べている方がとても多いので、結論だけ先に書きます。
それだけで解決することは期待しないでください。
駆除業者の害獣対策の窓口は、超音波装置について1種類の音だけでは慣れてしまう可能性があると案内しています。
効果がまったくないという意味ではありません。
出ていってもらうきっかけにはなります。
ただし、侵入口が開いたままなら戻ります。
音で追い出すことと、入れなくすることは別の作業です。
慣れるという性質や、天敵の鳴き声が効くのかについては、ネズミが嫌がる音は効くのかで詳しく扱っています。
自分でできること
ネズミは許可なく駆除できるので、自分でできる範囲が広い動物です。
そして、東京都保健医療局が手順まで公表しています。
ここでは順番だけ示します。
1. 餌になるものを片づける
台所の食材や生ごみ、ペットフード、花瓶の花などが対象とされています。
毒餌を使う場合は、近くに食べ物があると食べないため、これが先になります。
ペットや子供がいる場合の誤食防止対策も、東京都が案内しています。
2. 通り道を特定する
ラットサインとは、通り道に体の脂と汚れが付いてできる黒光りしたこすり跡のことです。
墨田区は、常に出入りしている穴の縁に見られる場合が多いとしています。
塞ぐべき場所を探すとき、これがいちばん確実な手がかりになります。
3. 粘着シートを置く
通路全体に複数枚を並べ、最低3日間は配置を変えないことが推奨されています。
4. 侵入口をふさぐ
塞ぐのは、捕獲や追い出しが済んだことを確認してからにしてください。
中にいる状態で塞ぐと、閉じ込めることになります。
東京都は、クマネズミが1.25センチ以上の隙間を通り抜けられるとしています。
資材は、金属タワシや亀甲金網などが有効とされています。
5. 清掃と消毒
ラットサインが残っている面を拭き取っておくと、次に痕跡が付いたときに気づけます。
新しい跡が出れば、まだ経路が残っているということです。
なお、殺鼠剤が効かない「スーパーラット」について、東京都は都内繁華街の一部で抵抗性を獲得した集団が見られるとしています。
そのうえで、一般家屋ではあまり心配する必要はないとしています。
一般のお住まいで毒餌が効かない場合、抵抗性より先に、餌の管理を疑ってください。
天井裏にいる場合の進め方は天井裏・屋根裏のネズミにまとめています。
家で何が起きるか
いちばん重い被害は、かじられることによる事故です。
東京都保健医療局は、電気配線やガス管をかじる被害を挙げています。
短絡による停電や火災、ガス爆発等の大事故が起きる場合があるとしています。
経済的な被害は、商品の汚損、電気機器等の破損、電気系統の事故・火災等に分類されています。
先ほど書いたとおり、繁殖はかなり速く進みます。
だからこそ、気づいた時点で餌と侵入口に手を付ける意味があります。
衛生面についても触れておきます。
東京都は、ネズミが関わる感染症としてレプトスピラ症、鼠咬症、サルモネラ症、E型肝炎、ツツガムシ病などを挙げています。
体調に変化があった場合は、医療機関にご相談ください。
このサイトでは、症状や治療については扱いません。
自治体に相談できること
ネズミについては、保健所が窓口になっている自治体があります。
確認できた運用を、自治体名つきで挙げます。
新宿区保健所は、粘着シートのサンプルを1人1回まで、殺そ剤サンプルを1人1袋まで無料配布しています。
ただし、区による駆除作業は行っていません。
大田区は保健所の窓口で殺そ剤を配布し、捕獲用カゴを区民に1か月単位で貸し出しています。
台東保健所は、屋内用・屋外用のねずみ対策パンフレットを窓口で配布しています。
中央区は地域ごとのねずみ相談会を開催し、公共の植え込みへの毒餌ボックス設置などを行っています。
江東区の保健所は、相談者に必要に応じて殺そ剤を窓口で配布しています。
同じ東京23区でも、行っていることは一つずつ違います。
制度の有無と条件は市区町村ごとに異なり、年度で変わることもあります。
お住まいの自治体については、自治体の制度から確認してください。
建物を管理されている方へ
ご自宅ではなく、管理されている建物の話であれば、決まりがあります。
建築物衛生法施行規則では、ねずみ等の防除を6か月以内ごとに1回実施することが定められています。
東京都健康安全研究センターによると、都の指導基準では、生息状況等の点検を毎月1回以上実施することとされています。
そのうえで、毎月の点検でねずみ・昆虫等の生息が認められなければ、薬剤散布による駆除は不要とされています。
生息が確認された場合は、トラップ等を活用した、より精度の高い点検方法を検討する必要があるとされています。
定期的に薬剤を撒くことが目的ではない、という考え方です。
業者に頼む場合
自分でできる範囲が広い分、どこから頼むかの線引きが問題になります。
判断の目安は3つです。
ひとつめは、侵入口が特定できないときです。
ラットサインを探しても見つからない場合、隠れた経路があります。
ふたつめは、天井裏の作業になるときです。
天井裏は足場がなく、姿勢の悪い作業になります。
みっつめは、繰り返し再発しているときです。
塞いだはずなのに戻るなら、塞ぎ方か、塞いだ場所が違っています。
金額を左右するのは、主に封鎖する箇所の数と、その場所へ届くかどうかです。
このサイトでは、費用の相場を一つの金額で示すことはしていません。
現地を見ないと決まらないものを、見ずに書くことになるからです。
何が金額を動かすのかは費用の考え方にまとめました。
安く見せて後から追加請求になる形については、追加請求の手口で扱っています。
見積書のどこを見るかはいい業者の見つけ方にあります。
ネズミの記事をもっと読む
このページは全体像です。
天井裏にいるのか、床まわりにいるのかで、置くものも塞ぐ場所も変わります。
音で追い出せるのかという点は、別の記事でもう少し詳しく扱っています。
まだ種類が確定していない場合は、症状から調べる導線もあります。
フンの大きさやかじり跡から、候補を絞れます。
天井裏で音がするに、気づいたきっかけ別の入口をまとめています。
ハクビシンやイタチだった場合は、法律上の扱いがまるで変わります。
許可なく捕獲できるのは、家に出るこの3種だけです。
下の一覧から、いまのご自宅の状況に近いものを選んでください。